春季歯周病学会＠郡山に参加しました

遊佐町の医療法人 大滝歯科医院　副院長の大瀧真太郎です。先日、郡山で開催された春季歯周病学会に参加いたしましたので、その報告をさせていただきます。

大滝歯科医院では最良の歯科医療を提供するため、常に最新の知識と技術を取り入れることを心がけています。その一環として各種学会やセミナーに参加し、最新の情報を学び診療に役立てています。歯周病学会もその一つで、特に近県で開催される場合は直接参加を、遠方の場合もオンライン参加をする心掛けております。

今回の歯周病学会は2024年5月24日、25日に福島県郡山市のビッグパレットふくしまを会場に行われました。学会のメインテーマは「歯周病の精密および個別化医療」でした

昨今、歯科に限らず個別化医療というのがキーワードになっています。同じ病気だとしても患者さんごとに性質が違うため、その原理の解明やオーダーメイドの対応が求められます。歯周病に関しても、急速に病状が進行する方もいれば、同じ状態で全く悪くならない方もおり、以前より個人によってリスクが違うことは認識されていました。

ただ、この個人のリスクの違いが何に起因するのかは今でも研究段階であり、まだわかっていない事が多いです。

遺伝的要因・細菌学的要因・または歯周病に関連する全身疾患の関連もあり得るわけで、複雑な要因を解き明かさなくてはならない、非常に難しい分野です。

今回の歯周病学会でも、残念ながら個別化医療の実践に関しては道半ばである事が語られていました。

以前より歯周病治療は、患者さんの治療への反応を見ながら、経験則的に行われてきた面があります。その試行錯誤が論文として蓄積されながら、経験則の中から何が効果的なのか取捨選択されてきたのが現在の歯周病治療です。

このあたりは完全な私見ではありますが、ここからさらに学問として進化するためには、ブレイクスルーとなる新しい発見・報告が必要なのかもしれません。

私たちとしては、日々の臨床においては患者さんと信頼関係を築きながら経験則的な個別化医療を実践し、日々アップデートされる情報を学びながら次世代の歯周病治療を臨床に取り入れていけるよう、勉強を欠かさずにいたいと思います。